01 / Definition
シティボーイとは、
都会的に見せる服ではない。
シティボーイは、日本では雑誌『POPEYE』が1976年の創刊から掲げた「Magazine for City Boys」と強く結びつく考え方です。
服だけでなく、食、本、音楽、店、旅、スポーツへ好奇心を向け、自分の街を面白く歩く人を表します。
装いでは、アメリカンカジュアル、アイビー、スポーツ、アウトドア、仕事着を、今の予定へ合わせて軽く混ぜます。
つまりキャップや太いパンツを揃えるだけではありません。どこへ寄り、何を持ち、どれだけ歩くかまで含めて服を選ぶスタイルです。
02 / Magazine & City
輸入した文化を、
自分の街で使える形へ。
- 1976
『POPEYE』創刊
「Magazine for City Boys」を掲げ、海外の服、スポーツ、道具、食、旅を日本の若者へ一つの生活文化として紹介しました。
- West Coast
軽さと実用を都市へ持ち込む
スニーカー、チノ、Tシャツ、アウトドア用品など、身体を動かすための服が都会の選択肢になります。
- Mix
一つの系統へ純化しない
アイビーのシャツにスポーツ靴、仕事着にキャップなど、背景の違う定番を個人の生活でつなぎました。
- 2010s
都市生活のガイドとして再編集
服だけでなく、住むこと、食べること、働くことを含む現在形のシティボーイ像が改めて広がりました。
- 2026
50年分の好奇心を再点検する
50周年号では「僕たちが考える“シティボーイ”の全て」を掲げ、時代ごとに変わり続ける人物像を振り返っています。
03 / Five Codes
街を広く使うための、
5つの条件。
Curiosity
目的地を一つ増やせるよう、歩きやすさと持ち物の余白を作ります。
役割:寄り道する力Utility
ポケット、トート、羽織りなど、一日の変化に対応する道具を選びます。
役割:予定をつなぐRelaxed Fit
肩、太もも、膝へ動ける余白を置き、身体を細く固定しません。
役割:長時間の快適さMix
シャツ、チノ、スポーツ靴のように異なる背景を日常で調停します。
役割:自分の編集Specificity
本、音楽、店など、本人の興味が小物や色に一つだけ現れます。
役割:制服から個人へ04 / Six Essentials
一日の幅で選ぶ、
6つの定番。
オックスフォードシャツ
白か淡青。肩は指一本ほど外、身幅は座っても張らず、裾は太ももの付け根付近まで。
白のクルーネックT
首が詰まりすぎず、シャツから覗く幅が均一。透けにくく、一日着ても首が波打たないもの。
ワイドストレートチノ
自然な股上、太ももに余白、膝から裾まで絞りすぎない形。オリーブかカーキが使いやすい。
軽いネイビージャケット
芯地が軽く、シャツやスウェットの上から羽織れる肩幅。仕事と食事の温度を整えます。
ランニング系スニーカー
灰、紺、白を中心に、踵が安定し、太い裾へ負けないソールの厚みを選びます。
キャップとキャンバストート
ロゴは小さく、色は服から一色拾う。トートは本と薄い上着が入る肩掛けの長さへ。
Start With The Proportion
最初のワイドチノを決める。
自然な股上、腰で止まるサイズ、太ももに手のひら一枚の余白、膝から裾までまっすぐ。この一本がシャツとスニーカーの量感をつなぎます。
05 / Difference
ゆるい服の、
目的が違う。
| 系統 | 中心 | シティボーイとの違い |
|---|---|---|
| ノームコア | 普通服の反復と匿名性 | シティボーイは異なる文化を混ぜ、本や店など本人の興味を小さく残す。 |
| ストリート | 音楽、スケート、コミュニティの存在感 | シティボーイはロゴや強い主張より、日中の複数の用事へ対応する軽さを優先する。 |
| アイビー/プレッピー | 米国の学生文化と服装コード | シャツやチノを借りるが、ランニング靴やアウトドア用品を自由に混ぜる。 |
| フレンチカジュアル | 抑えた色と端正さの着崩し | シティボーイはより広い寸法とスポーツ要素を使い、持ち物まで含めた都市生活を前に出す。 |
06 / Four Rules
ただ大きい人に見せない、
4つの調整。
- 01
上下を同じ倍率で大きくしない
シャツが大きい日はパンツの裾を整理し、パンツが太い日は首元をコンパクトにします。
- 02
一日の移動距離から靴を決める
写真映えより、踵の安定、クッション、雨への対応を先に確認します。
- 03
ロゴで文化を説明しない
ブランドを重ねず、色、素材、実際に持ち歩く本や道具で本人らしさを残します。
- 04
荷物を含めてシルエットを見る
トートや上着を持った状態で、肩と腰が膨らみすぎないかを確かめます。
07 / One-Day Formulas
予定を横断する、
3つの完成形。
淡青シャツ × オリーブチノ × 灰スニーカー
ネイビージャケットをトートへ入れ、仕事の輪郭と寄り道の軽さを両立します。
白T × 紺ジャケット × ベージュチノ
日中は袖をまくり、夕方はジャケットを羽織る。足元は歩ける革靴でも成立します。
緑キャップ × 撥水上着 × グレーパンツ
天候対応を一枚へ集め、内側はシャツで清潔に。荷物は両手が空くバッグへ替えます。
08 / Buying Order
小物より先に、
動ける輪郭を買う。
ワイドチノ
下半身の余白を作り、手持ちのシャツと靴の見え方を変えます。
淡色シャツ
大きさの中へ清潔な襟と袖を置きます。
歩ける靴
一日の距離とパンツの裾幅へ合う一足を選びます。
キャップとトート
服と本人の興味が整ってから、必要な持ち物を足します。
Choose The Proportion
街で座って、歩ける一本を探す。
オリーブかカーキ、自然な股上、腰で安定するサイズ、太ももから裾へまっすぐな線。大きさではなく、一日の動作で比べます。
09 / Care
毎週使う服を、
くたびれさせない。
襟と袖口を先に見る
シャツ全体より、顔と手に近い場所の汚れを早めに落とします。
チノを洗いすぎない
汚れに応じて洗い、裏返して陰干しし、極端な色落ちを抑えます。
靴を交代する
歩いた日は乾かし、インソールとソールの減りを確認します。
トートの底を整える
荷物を入れっぱなしにせず、汚れと型崩れを定期的に戻します。
10 / Glossary
輪郭を選ぶための、
6つの言葉。
- City Boy
- 都市文化へ好奇心を持ち、自分の生活として編集する人物像。
- Oxford
- 織り目と適度な厚みを持つシャツ生地。日常で扱いやすい。
- Wide Straight
- 腰と太ももに余白があり、膝から裾を強く絞らないパンツ形状。
- Unstructured
- 芯地や肩パッドを抑え、軽く羽織れるジャケット構造。
- Retro Runner
- 過去のランニング靴の設計を参照した日常向けスニーカー。
- Everyday Carry
- 日常的に持ち歩く道具と、その運び方を考える概念。
Conclusion
シティボーイを作るのは、
街への好奇心。
太いパンツも、キャップも、トートも目的ではありません。もう一軒歩く、本を一冊持つ、天候が変わっても予定を続ける。その行動を支える服を選ぶとき、シティボーイの輪郭が生まれます。
もう一度、好きな空気から選ぶ